ある日のオンラインレッスンのお話です。
受講生が、画面が真っ暗のまま入室したことがありました。
ビデオをオフにしているのかなと思いましたが、ステータス表示では向こうの映像はオンになっているので、不思議に思って尋ねてみると、なんとipadを床に落としてカメラが壊れてしまったとか。しかも、携帯も不調で、それを使って代用にするのも無理でした。とりあえず音声は問題なく、私の顔やホワイトボードはちゃんと見えているということで、その回は音声だけで授業を行うことに。
顔を見ないでレッスンするのは初めてだったのですが、これが予想以上にやりにくく、ちょっと驚きでした。1対多数ならまだマシだったかもですが、1対1のレッスンは相手の反応や様子に合わせて授業をするので、沈黙になった時表情が見えないと、メモを取っているのか、それとも理解できなくて悩んでいるのか、あるいはボーッとしているのか(笑)が掴みきれないんですね。オンラインだと気配も感じ取れないですし。それに、英文を読んでいるときの視線の動きも分からないので、戻り読みしてそうとか、どの語に注目してそうなのかとかも把握できないので、なかなかもどかしいものがありました。
ちなみに、私のレッスンでは2台目のカメラを使って手元を映してもらうことにしています。これによって、例えば英文を訳している時に、指の動きを見れば、頭の中でどんな処理をしているのかとかが分かりますし、長文で「この問題の答えとなる箇所はどこにありますか」と尋ねた時に、答えを見つけるためにどのあたりを探しているのかが分かります。また、英文で句や節がどこで切れるのかも指差してもらえば済むので、こちらもないとかなり不便です。
というわけで、受講生の言葉からだけでなく、ちょっとした仕草や視線からいろんな情報を得ていることを、再認識した出来事でした。
結局、この受講生のiPadは修理に2週間かかり、もう一回ビデオなしでレッスンしましたが、ようやく修理できて通常のレッスンに戻りました。よかったです。