★専門用語と一般の語にわけ、幅広いボキャブラリーの獲得を目指す
日本の受験英語では、非常に高度な抽象的な単語を重点に学習します。例えば、名詞で言うと「良心の呵責」「保全」「描写」「束縛」のような、「モノ」ではなく抽象的な概念を表す単語というのでしょうか。そして、そういった高難度の文章にしか使われないような単語を知っているわりには、いろんな分野の日常的な用語を全くと言っていいほど知らない学習者が多いのも事実です。

conservationが「保全」だと知っていても、diaperが「おむつ」だと知らない人は非常に多いですし、predicamentが「苦境」と知っている学習者でもconstipationが「便秘」だと知らなかったり、tadpoleが「オタマジャクシ」であると知らなかったりするケースが多々あります。

日本では、まるで英文学の本が読めるようになるためだけに作られたかのようなカリキュラムで英語を学ぶので、話せないだけではなく、ボキャブラリーまでアンバランスなのは仕方ないと言えば仕方ないのですが、しかしアメリカで日常生活が営めるかどうかを測るTOEICでは不安があります。やっぱり、「保全」「苦境」という言葉を習得するなら、「おむつ」「便秘」「オタマジャクシ」ぐらいは、日常会話で使われる頻度と子供でも知っているという点から考えても、知っていて当然ではないでしょうか?「おむつ」にいたっては3歳の子供でも知ってますものね。

もうちょっと難しい、とはいっても英字新聞レベル程度の専門用語については、ほとんど壊滅状態といっていい学習者が多いようです。医学・科学・経済・法律・コンピュータなどに関する単語は苦手な方が多いのではないでしょうか?しかし、これもまた日常生活やテレビ新聞に出てくる程度のモノは知らなければならないのは当然です。
医学: 血管・にきび・腫れ・病棟・ばんそうこう・のど飴
科学:夏至・隕石・星座・半径・雑食動物・雑種犬
経済: 増税・固定給・定期預金・担保・雑費・不正入札
法律:犯人・脱税・示談・放火・名誉毀損
これらは、全て日常生活で自分で使ったり、またはテレビや新聞に頻繁に出てくる単語です。わざわざ「医学」「経済」などと難しい分野に分けて専門用語あつかいせず全て「日常生活用語」といってもいいくらいなのですが、TOEIC900点前後の学習者でもなかなか言える人は少ないといえます。

しかしまた、それと同時にどんな分野にも入らない抽象的な概念を表す高度な単語も、900+を目指すならやはり必要です。すこし難しい文章を読んで聞いて理解するためには、それに見合った単語も必要となります。日本語でも「ちょっとの間」と「暫時」では同じ意味でも難度と使われるシチュエーションがが違いますよね。

そこで、本書では分野別の用語と一般の語に分けて、幅広いボキャブラリーの習得を目指しています。日本人学習者のアンバランスな語彙の是正と、「使える」ようになること、そして「どんな話にもついていける」のが目標です。
★専門用語は日常にも出る
専門用語と聞くと「そんな専門的なこと、知らなくても平気だ」と考える人がいますが、「専門用語は専門的で難解な文献のみに出てくる」というのは単なる思いこみにしか過ぎません。例えば、molecule「分子」という単語はどうでしょう?ちょっと考えると「専門的すぎて使わない」と感じるかも知れませんが、例えば「俺さあ、高校の時すごく物理とか化学がだめでさ」という話をしているときに「何が一番苦手だったの?」「うーん、分子とか原子とか出てきたときはわけがわかんなかったよ」という話になったら、当然日常会話にも出てきますよね。

900点超のスコアを目指すなら、日本語で知っているボキャブラリーは全て英語でも知っているようにすることを目標にしてください。「使う・使わない」で決めてはいけません。自分が日本語で知っているボキャブラリーは全て英語に直せること、そして、自分と同程度の教育を受けたネイティブスピーカーが持っている語彙は全て習得するつもりでいてください。

ここから先の英語力はすべてネイティブスピーカーとの比較になります。